「新聞制作の負荷を森作りで地球に恩返し」から生まれた、世界一美しい庭
◎400ヘクタールの土地に、永続的な森づくりを開始 十勝千年の森の整備構想が立ち上がったのは、約30年前の1990年のことです。母体となる地元紙を発行する十勝毎日新聞社が、新聞制作の過程で大量に紙を消費することから、“植樹によって地球に資源を返そう(カーボン・オフセット)”と考えたのが始まりでした。
美しい山々が連なる日高山脈の麓(ふもと)にある清水町の羽帯地区に約400ヘクタールの土地を取得。1000年後の未来へ、永続的に森づくりを続けるため、2003年から人を呼び込むためのガーデン整備が始まりました。
設計は高層オフィスビルを中心とした国内有数の文化施設、六本木ヒルズ(東京都港区)の庭園などを手掛けた英国人デザイナー、ダン・ピアソン氏が担当。同氏が整備にあたって最も重視したことは北海道の豊かな自然環境とともにあること、自然にインスピレーションを受けた独創的な庭をつくることで、土地の特性を生かすため、事前調査は地形や地質、植生、気象、歴史、産業、民俗、文化など多方面から徹底的に行われました。その上で日高山脈に溶け込むような景観を意識しています。
◎自然と人が出会う場を創出 園内は、山々からつながる緑の大地「アースガーデン」、森から草原への移ろいを形にした「メドウガーデン」、人の暮らし、農業の営みを表した「ファームガーデン」。そして、野生の趣を残した「フォレストガーデン」で構成。2008年7月1日のグランドオープン後も、理想の庭を目指して、専門知識を持ったガーデナーたちが日々、発展させています。
このうち「アースガーデン」と「メドウガーデン」は、2012年に世界各地の優れた庭園デザインを表彰する英国のガーデンデザイナーズ協会賞において最高位となるGrand Award(大賞)を受賞。同協会の審査員からは「世界で最も美しい庭」と評されました。
十勝千年の森では至る所に山や木立、花があり、小川のせせらぎ、鳥のさえずりが聞こえ、見上げれば大きな空が広がります。自然と人をつなぎ、後世に残すべき環境に思いを寄せる―そんな価値観を示し続けたい。スタッフ一同、その想いを忘れずにご来園されるすべてのみなさまをお迎えいたします。