十勝千年の森/TOKACHI MILLENNIUM FOREST

十勝千年の森では、大自然を体験できる北海道ガーデンの他、ヤギの哺乳体験なども楽しめるファームガーデン、見て食べて楽しめるキッチンガーデンや現代アートの展示、セグウェイに搭乗できる体験ツアーがあります。

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子ヤギたちがあなたに夢中! 新体験「ポコポコお山」の仕掛け人

 十勝千年の森には、自然と共生するための営みである農業を実践し、農と食と庭のつながりを体現する「ファーム・ガーデン」があります。野菜を育て、ヤギ、羊を飼育する現場のたたずまいは、北海道らしい景観のひとつともいえます。2020年、新体験スペース「ポコポコお山」が誕生しました。真っ白なヤギに囲まれ、見つめられたい…そんな遊び心あふれる空間を発案したのは、十勝の人々とともに地域の発展に力を注いできた林浩史(十勝毎日新聞社社長、52)。今回は、来場者の心を癒し、楽しませてくれる新施設をご紹介します。◎放牧地のど真ん中に新設 色とりどりの美しい花が咲き誇るローズガーデンを奥まで進むと見えてくるゴートファーム。晴れた日には毎日ヤギと羊が放牧されています。これまではスペースが広いため、動物たちはすぐに柵から離れた場所へ行ってしまい、なかなか触れ合うことができませんでした。そこで、放牧地の中に通路を作り、小山に登って、上からヤギを見渡せるようなアトラクションを設置しました。

◎アイドル気分になれる 林の脳裏にこのプランが描かれたのは、2020年のゴールデンウイークのことです。ある日、新型コロナ感染症対策による緊急事態宣言を受けて休園していた森へ視察に行くと、小屋の中の子ヤギが一斉に外にいる自分のもとに駆け寄り、食い入るように見つめてきたのです。「まるでコンサートのステージで大観衆の視線を集めるアイドルになった気分だった(笑)」。小さくてかわいい子ヤギに囲まれることは、「老若男女問わず、おそらく誰もがうれしい体験になる」と考え、このプロジェクトを発案しました。◎完成も・・・思惑通りには 2度の延期を経て、森のオープン日が決定。開園に間に合わせようと、施設のスタッフらが総力をあげて完成させたポコポコお山。しかし、期待していた通りにヤギは集まりませんでした。本来、人懐っこいはずの子ヤギは、草を食べることに夢中で、林が訪れたときも全く寄り付いて来ません。その様子を見かねたのか、ボスの1頭がやって来て、柵の周りの高い丸太の上に登りました。すると、当初の思惑とは正反対となる林を上から見下ろす形に。ヤギに囲まれて人気者になることはできませんでしたが、ヤギに上から目線で怒られているような状況も、「新鮮だった」と当時の様子を林は振り返りました。

◎インスタ映え間違いなし! いつもヤギが集まってくるとは限らないため、たくさんの子ヤギに囲まれることができればあなたはきっと幸運の持ち主です。お客さまからは「園内随一の写真スポット」と支持を受けているポコポコお山。ヤギに触れ、囲まれることもできるアトラクションは、国内でもここしかありません。林は来園者のみなさまに「もし自分がヤギの立場だったら、どんな気持ちになるだろうかなどと、想像力を働かせながら楽しんでいただけたらありがたいです」と話します。
 この森には、真夜中に響く鹿の鳴き声や、流れ星が無数に見られる夜空など、実はまだまだ来園者にお見せしたことがない魅力が満載です。林はこれからも、大自然の懐に抱かれる未知の部分を、より多くの人に感じてもらえる施設づくりを目指しています。

林 浩史 

林 浩史 

Hiroshi Hayashi

十勝毎日新聞社 代表取締役社長

1967年6月22日、帯広市生まれ。帯広柏葉高校卒業。明治大学文学部史学地理学科を1990年に卒業後、ボールドウィン・ウォレス大学大学院(米オハイオ州クリーブランド)国際経営学科修了。IMBA(国際経営学修士)取得。この間、92年に十勝毎日新聞社に入社、同社取締役北米支局長を務め、94年からローレンス・ジャーナル・ワールド社(米カンザス州の新聞社)で研修。帰国し95年から上毛新聞社(群馬県前橋市)でも研修を積んだ。96年に十勝毎日新聞社取締役副社長に就任、2009年12月から現職。

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