十勝千年の森/TOKACHI MILLENNIUM FOREST

十勝千年の森では、大自然を体験できる北海道ガーデンの他、ヤギの哺乳体験なども楽しめるファームガーデン、見て食べて楽しめるキッチンガーデンや現代アートの展示、セグウェイに搭乗できる体験ツアーがあります。

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厳しい冬を迎え、越えるガーデンの冬支度

 秋はガーデナーにとって最も忙しい季節。厳しい冬がやってくるまでに、植物に囲いやせん定を施さなければなりません。最初に冬支度を始めるのはフォレストガーデン。次に、メドウガーデン。日高山脈の山のてっぺんが白くなっても作業は続き、ある日ガーデン一面に雪が降ってドラマチックに冬が始まります。

スタッフ総出で行う、広大な森の冬支度 フォレストガーデンでは、種を落とす頃を見計らい、林床の植物を全て刈り取ります。十勝千年の森のスタッフ総出で刈った草花と落ち葉を、粗い目の熊手でざっと集めて、たい肥場へ運びます。これらは、厳しい冬に備えるだけの作業ではありません。フォレストガーデンで集めた広葉樹の落ち葉は、栄養たっぷり。馬糞や米ぬかと混ぜて「自家製のたい肥」を作り、土に返しています。
 熊手の隙間からこぼれた種は、次年へ命を繋ぎます。エゾクガイソウやツリガネニンジンなど、増やそうと考えている野草の種は集めておき、冬の間にカラカラに乾燥させ、温室で育てます。何年も先のガーデン計画を立てながらの作業となります。

自然の生命力に、人の手を貸して メドウガーデンの植物はほとんどが宿根草。地面ぎりぎりのところで剪定(せんてい)する「切り戻し」を行います。これは、地吹雪で植物が根っこから吹き飛ばされてしまわぬように、草丈を低くして守るためです。十勝千年の森では、植物たちが休眠期に入る準備で、「厳しい冬がやってくるよ」と知らせる作業とも言えます。
 痩せてしまった土には、たい肥を与えたり、落ち葉を入れて土作りを行います。庭木は、積もった雪の重みで折れてしまわないよう吊るようにしばって囲います。

 原種のローズはそのままでも冬を越せますが、イングリッシュローズは寒さに弱いので葉や花を摘み、まとめてしばって、凍結防止用の建築資材シートで覆い保護します。雪が積もるとある程度保温されますが、雪が降るまでは安心できません。不思議なことに、葉を摘まれたイングリッシュローズは、自らも冬の訪れに備えるのか枝が折れにくく強くなります。植物本来の力に、人間が手を加えることで、日高山脈から雪や風が吹きおろす厳しい冬を乗り切っています。

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