十勝千年の森/TOKACHI MILLENNIUM FOREST

十勝千年の森では、大自然を体験できる北海道ガーデンの他、ヤギの哺乳体験なども楽しめるファームガーデン、見て食べて楽しめるキッチンガーデンや現代アートの展示、セグウェイに搭乗できる体験ツアーがあります。

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職人の世界で修業を積む 3人のガーデナー

 十勝千年の森では、国内外から、一流の庭とプロの下でガーデナーを目指す、熱意のある研修生や、新人ガーデナーを受け入れています。一人ひとりの描くビジョンや、経験は異なりますが、互いに切磋琢磨し、高め合う新人ガーデナー3名を紹介します。目標は感動を与えられるガーデナー 西岡一穂

 西岡さんは、昨年1月に大学院を卒業したばかりの新人アシスタントガーデナーです。千葉大学の園芸学部で学んだ後、イギリスのシェフィールド大学院に進学。ランドスケープアーキテクチャーを専攻し、緑地空間の設計や、公共空間の運営による地域活性化などを学びました。その中で、植物の知識を持つ設計者が少なく、都市の地域では自然が本来持つ豊かな側面が欠けていると感じたことから、将来は緑のある空間設計の仕事をしていこうと考えました。
 修士論文の執筆過程で、自然植生を生かした植栽の手法「ナチュラリスティックスタイル(自然主義の庭)」という独自の試みをするこの庭に出会います。ヘッドガーデナー・新谷みどりと話し合う中で、もっと彼女のもとで、ガーデンの現場を学びたいと思い、この森で働き始めました。
 今夏には北海道のガーデンを視察して回り、その庭は誰がどのようなコンセプトで作ったのかを聞き、背景にある思いを知って感動したと言います。「お客さまもそのようなバックグラウンドに触れたいのだと気づいた。同じような感動を、伝えられるようになりたい」と決意を新たにしました。埼玉県出身の26歳。IT系のビジネスマンから庭に 加藤了路

 2人目は、施設管理を中心に行う加藤さんです。昨年から十勝千年の森のスタッフとして、料金所での案内や、カフェの店員、現場の作業の手伝いなど幅広く業務をしてきましたが、6月下旬からはガーデンチームに入りました。
 これまでの約30年は、IT関連の仕事をしてきたビジネスマン。山登りやマウンテンバイクなど、自然の中で過ごすことが趣味でしたが、これまでとは畑違いの仕事に、「いつも帰宅したらバタンキュー」だとか。
 特にこれからは、日高山脈に積もる雪が平野に近づいてくる景色に急かされながら、格納庫の管理や園内の各所に雪囲いを被せるなど冬支度に追われます。
 アシスタントガーデナーとして、庭で仕事をする時間が増え、現場で花の名前を聞かれることもあります。植物には、全世界共通の学名がラテン語でついており、覚えるのがたやすくはないからこそ精が出ると話します。
 現在、スタッフの中で扱える人が2名しかいない重機の資格取得も視野に、木の伐採から施設管理までできるようになることを目指しています。東京都出身の53歳。ガーデンで第2の人生を歩む 小澤裕

 最後は、十勝千年の森のガーデナー教育プログラムの研修生として、9月に東京から来た小澤さん。
 セカンドライフでは一般の人に広く、癒やしや憩いの場所を提供したいと思い、ガーデニングの道を選びました。職業支援センターで植物管理の専門的な知識や技能などを学ぶ庭園施工管理科に通った後、東京の植木屋で働きながら、5年前にイギリスへ留学。グレート・ディクスターにボランティアガーデナーとして毎年通い始めました。今春の帰国後、1年間は渡英ビザ申請ができないことから、日本のガーデンでスキルと知識を身に着けようと、植木屋を退職し、この庭に研修しに来ました。
 ここでの日々の庭仕事と、それを通して接するガーデナーの仕事に対する姿勢が自分にとっての「鍛錬」であり、「財産」だと話します。この森の研修生のための家に滞在し、現場での不明点や疑問点を調べる日々を送っています。
 森の再生の仕事への興味も生まれ、「国内外のガーデンに、自分が育んだ植生の一角や、せん定を続けた樹木を残したい」という強い思いを抱いています。東京都出身。


 「庭づくりの楽しさを教え、一人前のガーデナーを育てたい」。3人を指導する新谷は、自身もスウェーデンと日本の庭で修業した経験から、厳選して研修生を受け入れ、本の執筆や講演を通して、「伝えること」でガーデン業界に貢献したいと考えています。
 過去10年間で、日本人8名と、外国人9名を受け入れました。この庭を設計したダン・ピアソンや新谷の講演を聞いた人、雑誌で見たこのガーデンの写真に感動した人、少ない人数で広大なガーデンを管理するヘッドガーデナーの仕事について学びたい人など、志望動機は人それぞれ。現在もイギリスやアメリカ、オーストラリアなどから、応募が来ており、知識や技術だけでなく、指導力が求められます。彼女はいつも「何事も好きになったもの勝ち」という言葉を伝え、主体的に学び、庭造りの奥深さや楽しさを知ってほしいと思っています。

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